中国語暦四年目の上海留学

2017/2-2018/1復旦大学文化社会班。中国とわたしのあれこれ

享受できない便利は即ち不便

午前中やっと学費の支払いを終える。上海に来て四日目、環境は着々と整えられていると感じる。午後はこっちに来て初めて日本人の知り合いの人に会って買い物を手伝ってもらったり道案内をしてもらった。
f:id:rishizi:20170222223012j:image これで洗濯ができる。ずっと天気が悪くベランダも汚いので、おそらく部屋干しになると思う。


f:id:rishizi:20170222222400j:image 夜は道路に面している大衆食堂でワンタンを食べる。10個14元。向かいに美味しさを分かち合えるひとがいる喜び。
f:id:rishizi:20170222222408j:image  お客さんの目の前で仕込みする光景は中国にありがち。
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今日いちばん嬉しかったのは、やっと微信支付と支付宝を中国の銀行の口座に紐付けできたこと。
f:id:rishizi:20170222224506j:image中国人の友達にもらった微信红包(ネット上でもらえるお年玉)が20元ほどあったので、さっそく食堂で使えるプリペイドカードにチャージ。

 

f:id:rishizi:20170222223224j:image  最近ローソンでアリペイ支払いというのができるようになったらしい。中国では自分の銀行口座と携帯のアプリを連携させて、会計時にアプリを起動して自分専用のQRコードを見せると口座から自動的にお金が引かれるというシステムが確立している。これは常に便利を追求し続ける中国らしいサービスだと思う。

ただ、それに置いていかれると便利はただの不便に成り果てる。今日会った日本人の知り合いの方は、アリペイ支払いのみで現金支払いを受け付けない飲食店でそのことに気付かなかった中国人を助けてアリペイ支払いをしてあげて、中国人からそのぶんの現金をもらったそうだ。

学費を払うときもVISAだと手数料がかなり取られるし…やはり留学する際は手続きの3〜4日前に来て、携帯SIMカードと銀行口座と支付宝を完璧にしてから留学手続きに望むことが良いのではないかと思う。(あくまで私費留学の場合。政府奨学金を使えるならそれがいちばんいいのだけど、外大の語劇やスピコンをする人はなかなかそうもいかないだろうから。)

 

 

環境を整えることとの戦い二回戦

三日目 2017.2.21

#食堂飯

早起きして食堂に朝ご飯を食べに行くという初の試み。ちなみに朝6時半から開いています。
慣れていかなきゃいけないから積極的にいろいろやってみようと思っている。
中国では食堂でご飯を食べるためにみんなプリペイド式のカードを使います。
留学生はこのカードは明日から交付のようで、まだ持っていないわたしはたどたどしく现金可以吗といろんなひとに聞いて、5元で具無し水餃子にありつくことができました。初食堂飯、記念にパシャリ。無味。
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#お金のあれこれ〜学費の支払い

午前中に入学手続きをしに行ったのですが、使用限度額の関係でvisaカードでは支払いができず断念。現金で支払うこともできるけど、現金を入れている新生銀行も引き出しの限度額があるので、足りない分は今日と明日で引き出して明日またお金を払いに行きます。
ちなみに日本で作った銀聯カードも使えないと言われました。場所にもよるだろうけど。

 

#お金のあれこれ〜後輩たちへ

これから留学に行く後輩たちは、行く前にVISAカードの限度額を確認することと、着いたその日からコツコツ新生銀行で現金を引き出すことをおすすめします。
日本にいるときに使うお金を新生銀行にいれておいて、中国で引き出して、着いてから中国で口座を開設して、そこに一気に入れてしまうのがいちばんいいのかな?
みなさんどうしてるんでしょうか?

 

#お金のあれこれ〜口座開設

今日、中国工商银行で口座を作りました。これは中国の電話番号とパスポートがあればすぐできます。
復旦大学のいちばん近くにあるのは农业银行だけど、工商银行がいちばん大手だと思うので、わたしはそこで作りました。
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#髪を切る

中国の(ちょっとイケてる系の)若者はみな同じ髪型をしている。頭の下の方だけ剃り上げて?いるキノコヘアみたいな感じ。
デパートの中にわりといい値段でヘアスタイルを設計してくれるお店があったけど、
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ウォルマートの中の15元美容室での仕上がりはわたしの目にはなかなか悪くなく、地下鉄でよく見る流行りの髪型と差不多にうつった。
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#肉こそが正義
お昼にふらっと入ったごはん屋さんで食べたいものを取ってたら、55元も取られてびっくりした。つらい。ゼミの先生が"食堂のご飯の値段は肉の量に比例するんだよね〜単純だけどおもしろいよね"というようなことをおっしゃっていたのを思い出した。
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ご飯がおかわり自由だったのでおかわりした。こりゃ、太るわ。夜ご飯は抜きです。
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#物流の会社に遊びに行く

10号線 四川北路駅付近のビルに入っている、知り合いの方が経営している物流の会社にお邪魔した。すごく大きなビルの中にはたくさんの物流や貿易の会社が入っていた。
この辺には心なしか大学周辺よりもスーツを着ている人が多い気がして、会社がたくさんあるところなのかな?と思った。それにしても中国人はスーツを着ているひとは少ない。日本が異常なんじゃないかと思ってしまいます。
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#小皇帝と呼ばれしゆえん
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帰り道、学校の前に人だかりができていて何かなあと思っていたら、放課した子どもたちは門の外へ出た途端にそれぞれの親のもとへ駆け寄って、バイクで帰っていった。
小皇帝だなあと、思った。

〜-〜-〜-〜

学費と寮費の支払いが滞っていること以外はなんとか暮らせてます。中国はやっぱり楽しいです。

 

環境を整えることとの戦い一回戦

一日目 2017.2.19

なにぶん空港から大学の最寄り駅までが遠い。たどり着く頃にはへとへとです。

 

わたしの寮は四人でひとまとまりの部屋に住む辅楼(サブビル)です。

部屋の中には、机、ベッド、クローゼットだけがある5畳くらいで鍵がかかる個人スペースと、二人に一つあたるシャワー、共同キッチンがあります。復旦大学の寮の中だといちばん安く、一日45元です。

着いてまず寮に入るために、デポジット200元と水と電気のチャージ料金として100元ずつ、計400元は絶対必要です。あとは布団も380元で買いました。高っ。

 

寮に着いたものの、疲れていたのとシャワーの浴び方もよくわからない(水と電気を使うためには100元ずつチャージしたカードを差し込まなければならない)ので、部屋に入ったのち顔だけ洗って就寝。

 

環境を整えるための初期投資が本当にたいへん!
上海は特にだと思うのだけど何をするにもお金がかかるなあということと、こんなに中国が大好きなんだから楽しくないわけがないししんどいわけがない!と過信しすぎていたなあということが、初日の感想。

四人いる形跡はあるのに昨日はルームメイトの誰にも会うことができませんでした。物音だけが聞こえるホラー。

 

二日目 2017.2.20
Wi-fiを求めてロビーに行ったら、タイ人の団体がごそっと押し寄せていた。
そのあとで登録手続きのために道を歩いていたら、きれいな西洋の女の人に"Hi〜"と声をかけられる。
話してたら、わたしが朝まで共用スペースに置きっぱなしにしていた靴を見て、"あなたルームメイトだと思う、その靴部屋で見たわ。ニコッ"というようなことを言われる。まさかの寮外でルームメイトにはじめてのご対面。これから旅行で急いでいたらしく、また一週間後ね〜と言って走って去っていった。きれいすぎてディオールかなんかの広告かなと思った。

部屋に誰もいないのをいいことにばちばちと寮の写真を撮る。
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これが共用スペース


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部屋。意外と快適。

布団を買いに行ったときに柄を選べたんだけど適当に選びすぎてへんなのになっちゃった。

 
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シャワーとトイレ。

 
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どこの国の人が住んでいるのかまだよくわかってないけど、たぶん全員欧米系な予感。(どことなく部屋全体にいいにおいがする)

 

今日はSIMカードをゲットしたので一応連絡はどこにいても取れるようになりました。

明日は手続きの続きと、知り合いの人の商社に遊びに行ってきます。

 


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ご飯をどこで食べればいいかよくわかってなくて、今日はファミマでカップラーメンを食べただけです。

カップラーメンを買ってイートインしようと思ったけど、恥ずかしながらお湯を入れてくださいもろくに言えなくて、ひたすら麺を指してた。そしたら、自分で蓋開けて調味料出してって言われた。お湯だけ入れてくれた。レジ塞ぐし、あんまり効率よくないなーって思った。笑

 

いざ、上海留学

2017年2月19日より2018年1月15日まで上海にある復旦大学という大学で勉強してきます。

 

国学科に入ってから、私の中国への関心を高めるのには十分すぎるほど、いろんな経験をしました。

日々の中国語学習、三年間の中国語劇の活動、ゼミでの中国文学研究、中国人留学生たちとの出会い、毛先生の雑誌作りのお手伝い、スピーチコンテスト、そして三度の訪中――2015年春の北京五日間、2016年春の中国縦断二週間、2016年秋の揚州上海での日中友好プロジェクト――。

その三年間の集大成として、上海に行ってきます。

 

休学して留学するため来年帰ってきてから四年生になって、それから就職活動をします。去年はハルビンに行く!と息巻いていたので、今年上海に、しかも復旦にする、と周りの人たちに話したときは「結局かーい」と言われましたが、いかんせんハルビンは寒すぎました。。。笑

 

留学先を上海に決めた理由。

①将来のビジョンを立てやすそう

就職活動直前の休学ということもあり、上海で働く日本人にたくさん出会って話を聞いて、将来自分が中国語を使って社会の中で何ができるかを深く考えていきたいから。上海にいる外大OBの方々にもお会いできたらいいなと思います。

 

②文化の中心で中国の魅力を知りたい

「中国での日常」これは大学に入って中国語を学び始めるにつれて、私が一番知りたいと思い始めたことの一つです。中国の本当の姿を知るんだったらそんな都会に行かないほうがいいんじゃないの、とも言われましたが、しかし上海だって今の中国の立派な姿だと思うのです。東京より大阪よりきらきらしているように見える上海で、今の中国ではなにがはやっていて人々はどうやって生きているのか、知ることができたらいいなと思います。

 

両親へ、金食い虫の娘でごめんなさい。ありがとう。投資してくれている何百倍にもビッグな人間になって、生きて、帰ってきます。

はぶくんへ、チャイニーズにほだされないようにがんばります。

応援してくれたり会ってくれた方々へ、ありがとうございました上海でもお会いできたらいいなあと思います。

 

以上。明日夕方の吉祥航空で飛び立ちます。

 

 

170119 中国人に一粒ダイヤモンドネックレスを貰った話

 先日、大阪に住む中華料理店を経営している男性と知り合いました。どうやら日本人女性が大好きらしく、初めて会った次の日にチャットした内容からやたらとぐいぐい来ます。

男性「昨天梦中和你见面了(昨日夢に君が出てきたよ)

私「我在你的梦里干啥呢?(私夢の中でいったい何してたんですか←苦肉の末こう返信)」

男性「牵手 一起散步 旅游 然后是你穿着婚沙在海边跑 我在后面追你(手をつないで一緒に散歩して旅行をしていた、そのあと海辺でウエディングドレスを着ている君を後ろから僕が追いかけているんだ)」

男性「还有现在满脑子都是你 说话的声音、你的笑声和内容 好久好久没有这种感觉了…(それとね、今僕の脳内は全部君でいっぱいなんだ、君の声や笑い声、こんな気持ちになるのはすっごく久しぶりだ…)」

私「…」

 また、その方がどうしても私に渡したいものがあるらしくいつ暇なのかとすごい勢いで聞いてくるので、ちょうど大阪で用事があったので昨日用事を済ませてから会うことに。スターバックスでコーヒーを飲みながら話していると「はいこれ」と言って渡してきたのが、なにやらすてきなネックレスでした。しかも、その保証書には”K18プチダイヤモンドネックレス”との文字が書いてあり…。

 驚いている私に「君と一緒にいれるってわかったから今日は仕事休んだよ」と追い討ちをかけてくる中国人。いっぽう私はバイトがあったのでそそくさと三宮に戻ってきました。三宮での電車で、おもむろにその値段を調べたら、ピンきりですが2~3万はするそうで。この話を何人かにしたら全員「売れよ」とのこと。留学中お金に困ったら売ろうかな。

 と、しょうもない話は置いといて、その方との会話の中でいくつか気になったことがあったので記しておきたいと思います。

 その方は今年で日本に来て三年目ほどで、なんで日本に来たのかと聞くと「中国が大嫌いだから」と答えました。日本と中国の違いについて話しているときもなにかにつけて「中国のこういうところが嫌い」と言います。そして挙句の果てには「将来は日本人と結婚したいし日本に帰化して日本人になりたい」…?愛国心もへったくれもありません。

 さらに、そのわりには日本語も大して上手いわけじゃないし、経営しているのも中華料理店で従業員もほぼ中国人、いったいなにをしに日本に来ているのだろうと思ってしまいます。確かに私も日本より中国のほうがいいと思うところもあるけど(自分らしくのびのびと過ごせるところや公共交通機関が安く乗れるところ、身内を思いやる気持ち)日本人であることに誇りを持っているし、日本人でよかったと思います。

 また、その方曰く「中国のお金持ちや学歴がある人はどんどん国外に出ていく時代になった」。この先中国はどういう国になっていくのか、ちょっと気になります。13億分の1の意見ではあるけれど、このように言う人がいるというのは事実。一年間の留学で、他の中国人が自国に対してどう思っているのか少しでも知ることが出来たらと考えています。

170111 第34回中国語スピーチコンテスト全国大会が終わりました

先日、日中友好協会主催のスピーチコンテスト全国大会に参加してきました。

よい結果を残すことが出来ず、自己嫌悪と後輩への希望を織り交ぜながら反省感想文を書いたのでよければご覧ください。

 

審査員講評と自己反省と、後輩に伝えたいこと

 

<原稿の作り方>

・話は一つの題材に絞る 例:今年の最優秀賞テーマ:“二胡と私”、“忘れられない運動会”

→私はいろんなことを詰め込みすぎて、まとまりがなく結局何を伝えたいのかわからなかった。審査員の東京外大の教授の方に「内容はいちばん好きだったんだけどねえ、やっぱりもっとこの中のどれかの話に焦点を当てたほうが良かったね。」というお言葉をいただいた。

・5分間のスピーチのため、文字数は多くても800字程度、ベストは700字台

・書き言葉を使わない

→自分の言葉で、わかりやすく伝わりやすい言葉を選んで用いる

・成語は使ってもいいが自分の中に必ず落とし込む

→中国人の友人に原稿を添削してもらったのだが、日本と中国の関係の深さを表す言葉として唇齿相依という四字熟語を用いていた。質疑応答の際に「唇齿相依是什么意思?」と聞かれてしまい、完全に語彙として消化しきれなかったため、回答に苦戦した。

・添削はできればネイティブの先生、特にうちの大学であればR老师にお願いして添削してもらう

→スピーチコンテスト向けの文章というものが存在するため、中国人のなかでもなるべく精通している方にお願いするのが良い

 

<発音>

ウムラウトの出来不出来で中国語らしさがだいぶ違う

・声調の表現を自分が思っている以上に大げさに

→一声はかなり高く、二声と四声は変わり幅を大きく

 

<発表>

・マイクの調子が悪いことがあるので前の参加者の発表を良く聞いて、より自分の声を響かせるためにはどうしたらいいか考える

→今大会では、マイクの調整をする時間が十分にあり、またマイクを手持ちすることも許可されていた。大学生の部最優秀の方だけがマイクを手持ちしており、声は確かによく通っていた。マイクを持つとボディランゲージがしにくくなることだけが欠点だが、今回あまり採点基準であるような感触はなかった。

 

<質疑応答>

・回答は原稿の中から

数あるスピコンの中には、発表のあとに中国語での質疑応答がある形式のコンテストもいくつか存在する。日中友好協会主催の今大会では、発表した内容に関してのものが多く、少し言葉を変えたりもう少し内容を盛り込んだりして、原稿通りに的確に答えることが求められていると感じた。

 

<最後に>

私が知っている限り、関西圏だけでも中国語のスピーチコンテストは春に一つ、秋に五つほど存在している。参加基準も大会によってまちまちである。

大学の授業だけではなく外部に飛び出して自分の力を試してみたい人、日本での授業だけではなかなか習得するのが難しい“中国語で自分の言いたいことを伝える能力”を身に着けたい人、K外大中国学科をもっと日本へと、世界へと知らしめていきたい人、ぜひ一度中国語スピーチコンテストに参加してみてはいかがでしょうか。

※下に関西圏で行われているリンクを張っておきます。データはすべて昨年のものですが、また近くなると更新されると思います。

 

漢語橋…最も権威を持つスピコンといわれている

第15届“汉语桥”世界大学生中文比赛西日本地区预赛报名通知(2016-03-16) -首页-中国驻大阪总领馆教育组

中国通

中国通コンテスト2016 l 三ノ宮(三宮)の中国語教室 孔子課堂/中国政府公認の中国語学校 神戸校

日中友好協会…留学経験者も○、地方大会はスピーチのみ

スピーチコンテスト

立命館孔子学院…留学経験者も○、レベルが高い

スピーチコンテスト | 京都・大阪・東京で中国語を―立命館孔子学院

京都外国語大学…留学経験者×、初学者向け

第30回 「全日本学生中国語弁論大会」実施要項|新着情報|京都外国語大学

 

JAL…台湾推しらしい

2016年JAL中国語スピーチコンテスト

 

161206 三年目の語劇が終わりました

三年目の語劇が終わりました。あっけなく老害に成り下がった一人の語劇人として長文を書きました。偏った意見なので不快に思う人がいるかと思います。先に、謝罪しておきます。

文字通り二時間舞台に出ずっぱりだった去年とは打って変わって、今年は幹部として主に広告、チケット関連業務、対外交渉、飲み会幹事、広報活動と微力ながら演技・発音指導、本番のQ出し、そしてわずかだが役者としても舞台にも上がらせてもらった。

2016年中国語劇は、私が語劇にのめりこむきっかけとなった4人の偉大な先輩たち、戦友であり続けた同期、毎日楽しみながらも真摯に語劇に向き合う後輩たちと一緒に、中国でたいへん有名であり長い間公演されている『暗恋桃花源』という台本を扱うことができ、台本選びや劇団員集めに奔走した四月、あるいは一年前の語劇が終わって今年も続けることを決めた瞬間から、本当に充実した一年だったと思う。

個人的な意見ではあるが、神戸外大の語劇制度の問題点や改善すべき点に関して言及して、三年間の語劇生活の終止符を打つことにする。

今年で67回目となる語劇祭は、いつからなのかはわからないがまったく演劇についての専門知識がない審査員(各団体代表の外大生と外大職員)によって、各裏方賞や役者賞、さらには劇団賞が決められる。そもそも、内容に関する指定や明確な誰が見ても納得できる審査基準の公開もままならないのに、文化のまったく異なる4言語で芝居をして、さらに言語の専門家でも演劇の専門家でもない審査員が審査して順位がつくというのはどういうことなのだろうか。

語劇という文化活動は、特殊な特性を持つと思う。「外国語」は自分の世界を広げるためのツールだが、「演劇」は主に自分以外の人の世界を広げるためのものだと思っている。 「外国語」と「演劇」と「競争」という性質の異なる三つをかけあわせていること、これが難しい。

たとえば、中国学科の中で縦割りで複数の中国語劇団を作り、それぞれ完成度や語学レベルを競い合うことは可能だ。たとえば、神戸大学自由劇場のように年に数回すべて自分たちだけの力で自分の大学や劇場を利用して演劇を行うことも可能だ。たとえば、大学演劇コンペのようにテーマや時間などのある条件があって競い合うことももちろん可能である。

神戸市外国語大学の語劇祭の難しさは、たくさんの要素が複雑に盛り込まれているところにある。「外国語で」「学外の施設を借りて」「複数の劇団で語劇祭というイベントを作る」。このことがどれほど難しいことか。異なる言語異なる文化で競い合うから、採点基準が難しい。(少なくとも言語の正確性では4言語がすべて平等に話せる人がいない限り誰もはかることができない)学外の施設を借りるから、お金がかかる。お金がかかるからチケットを有料にせざるを得ず、著作権の問題や広告収入に頭を悩ませなければいけない。複数の劇団が参加するから、座席が多くはないKAVCという舞台でたった一回しか公演ができず、毎年チケットを買えず泣く泣く観劇を断念する人が出てくる。

おかしい。どうしたらもっと多くの人に、中国語の楽しさや私たちが四ヶ月汗と涙を流しながらつくりあげるこの劇を見てもらえるのか。

70周年を向かえ「行動する国際人」をモットーにしている外大は、外国語の単科大学として語劇祭というイベントも推している(らしい)。しかしそのわりには、語劇祭実行委員会の会場確保など血のにじむような裏での尽力や、たった一回のKAVCという設備の整った舞台で公演をするために、何回も何回も外大の設備の整っていない小ホールでの練習においてKAVCとの違いをまざまざと見せ付けられる演出や監督の苦悩をまったく汲み取ろうとはしない。小ホールの設備がもっとよくなれば、と思うこともある。

われわれはなんのために毎年あらゆるものを捨て去ってまで語劇をやっているのか。

中国語劇団という劇団は、五つの劇団の中でも少し変わっていると思う。そもそも中国という国が他の言語を使用している国に比べて距離も文化も近いため、毎年お客さんの中には多くのネイティブがいる。伝統の長い劇団であり、OBOGの方々もはるばる全国各地からご指導に来てくださったり、本番を楽しみにして毎年見に来てくださっている。先生方のご支援も他劇団に比べると本当に充実していて、毎年先生方のありがたみをひしひしと感じている。

私たちは誰に向けて語劇をしているんだろう。誰に何を伝えたいんだろう。

私は中国語もお芝居も大好きなので、中国語で演劇をする中国語劇団が大好きだ。 これは極論だが、時期をずらして中国語劇団だけでKAVCを借りて3回くらい公演したらいいと思う。そして大阪大学の中国語劇団のように大陸や台湾で出張公演をしたらいいと思う。そのくらい私たちの劇団は誇っていけるものだと思う。そのことが、語学レベルの衰退がささやかれている神戸市外大中国学科の復興にもつながるのではないか、と思う。

語劇祭に関してはこのくらいにしておきます。駄文をここまで読んでいただきありがとうございました。

三年間中国語劇で学んだことを計り知れないほどあります。 最後になりますが、日本語訳校正や台本選び、発音指導、たくさんの差し入れなど毎年きめ細やかなご支援をしてくださる外大中国学科の先生方、語劇への愛を今日まで語り継いでくださった偉大なOBOGの皆様、見にきてくださったみなさま、広告掲載を快諾してくださった広告主さま、人数不足の中語劇祭を成功させるため奔走していただいた語劇祭実行委員会のみなさん、今年一緒に語劇をつくりあげた27人の劇団員のみんなには、どれほど感謝しても感謝しつくせません。本当に、本当にありがとうございました。