散文と中文

神戸市外大中国学科卒業。復旦大学国際交流学院留学。中国語と中国と共に生きる自称エッセイスト。

中国語:中国語で記事を書きました①

先日、

一个日本人来上海留学,迷上了酒桌文化和中国式秀恩爱

 

(上海に留学にきたある日本人が、"中国の飲み会文化"と"中国人カップルの愛情表現のすごさ")←秀恩爱の訳が難しい

というタイトルで文章を書きました。

いつまでも一度のちょっとうれしかったことにとらわれるのはよくないと思いつつ、やっと日本語の訳をつけました。

中国語ができないけど中国ってどんな感じのところなのか興味のある方がいらっしゃいましたらご覧いただけたら幸いです。

 

以下、中国語原文と日本語。

 

第一次在中国公司上班/中国の会社で働くというはじめての体験

 

2017年春天,在神户外国语大学汉语言专业读大三的我,正式休学一年来到上海复旦大学留学。现在,我在上课的同时,每周一次去一家买卖日本清酒和烧酒的公司实习,第一次在全是中国人的环境里工作,每天都有很多意外和收获。

2017年春、神戸市外大の四年生になろうとしていた私は一年間大学を休学し、上海の復旦大学に留学することにしました。現在は授業を受けながら、周に一度ほど日本酒と焼酎の貿易を行っている会社でインターンシップをしています。初めて中国人しかいない会社で働くということを体験し、毎日がたくさんの驚きと発見で満ちています。

 

我的同事每天9点10分才到公司,到公司第一件做的事情就是吃早饭。她们吃完早饭开始工作,到了10点半左右,在公司里吃午饭的同事看手机对着外卖app说:“今天午饭吃什么呢?”,到了11点57分出去吃饭的同事就站起来说:“吃饭吃饭吃饭”。然后大家一到下午5点半就收拾包包准备回家,17点40分有时候连电灯也都关掉了。

会社のある上司は毎日9時10分頃におもむろに会社に現れるのですが、会社に着いてまず始めにすることは朝ごはんを食べることです。そのあとで仕事をはじめ、10時半ごろになると、お昼ご飯を会社で食べる上司はスマートフォンの外卖(食事宅配)アプリを開き「お昼は何を食べようかな~」とメニューを見出します。また、外に食べに行く上司は、11時57分頃になるとぞろぞろと立ち上がりながら「飯だ~飯だ~」とつぶやいています。

また五時半の終業時間になるとすぐに帰る準備をしだし、17時40分には電気さえも全て消えていることもあります。

 

我到了这间公司才发现:“好好休息才是活下去的动力啊”,同时我意识到日本求职和工作情况跟中国人完全不一样。日本人无论做什么都“做到极致”地去做,而且不太擅长适时放轻松,甚至很介意别人怎么看待自己,所以不能像中国人那样随便上下班。不过我这不是想说中国人的工作态度很懒,而是他们真的很了解怎么才能有张有弛地工作。

私はこの会社に入ってから気付いたこと、それは「よく休むことこそがよく生きる原動力であること」ということです。同時に、よく言われることではありますが、日本と中国の働き方にも大きな違いがあるのだということに思い至りました。日本人は何をするにも「最善を尽くして」やり遂げようとし、またリラックスするべきときにリラックスすることあまり得意ではなかったりします。さらには他人の視線を非常に気にするので、中国人のように人を気にせず出社退社をすることが出来ないように感じます。しかしここで言っているのは中国人の仕事への態度がよくないということではなく、彼らは本当にメリハリのある仕事の仕方を心得ているなあということです。

 

日本有一种文化叫“寿退社”(指女人结婚后选择辞职,变成家庭主妇。之所以加个“寿”字,表示对日本人来说结婚辞职是很高兴的、要祝福的事情)。在这样的文化里面长大的我,第一次知道中国的结婚情况的时候感觉到强烈文化冲击——我以前认识一个在出版社工作的中国女性,她说:“生孩子前后请假的两个月的时间是在我的人生中最无聊的,我每天觉得想上班,虽然我宝宝好可爱,但在家里一直照顾孩子不能出去工作多么无聊啊”。

日本語には”寿退社”という言葉があり、"寿"という字から見えるように、日本では結婚してから家事や出産のために会社を辞めることはめでたいことだという考え方があります。このような文化の中で育った私は初めて中国の結婚の文化を知ったときに大きなカルチャーショックを受けたことを覚えています。以前、中国の出版社で働いている中国人女性と話していたとき、彼女は「産休の二ヶ月間は私の人生において一番退屈な時間だった。毎日仕事をしたいと思っていたし、子どもはかわいいけれど、家でずっと子どもの面倒を見てばかりで仕事ができないと言うことは本当につまらなかった」と話していました。

 

第一次感受中国的酒桌文化/中国の飲み会文化

 

去年我在神户认识了一个来自重庆的中国留学生,我叫他“陈哥”,他在神户念完本科之后就回重庆了。今年暑假最后一周,我去重庆找陈哥玩,他每天带我去很多地方逛,而一到天黑,酒鬼的他就笑嘻嘻地带我去喝酒。多亏了他,我除了酒量大涨以外,还了解到很多中国的酒文化。

去年神戸にいるときに重慶から来た留学生の陳くんと仲良くなったのですが彼は留学を終えて今年の春に重慶に戻ってしまいました。今年の夏休みの最後の周に彼を訪ねて重慶に行くと、滞在中ずっと彼が案内してくれました。また酒飲みの彼は夜になると嬉しそうに飲みに誘ってくれ、彼のおかげで飲酒量が増えただけではなく中国の酒文化について知ることが出来ました。

 

他知道我从来没去过KTV和夜店以后,特意带我去了这些地方,还教给我在夜店到底怎么玩的——就是玩吹牛和一些喝酒游戏。在他耐心地教给我游戏规则后,我还赢了几次。回到上海的第二天,上海的朋友找我喝酒,于是我开开心心地跟他们一起喝酒玩吹牛。我不禁觉得:也许在上海学会的东西之中,吹牛就是最有实用性的……

 彼は私が中国式カラオケやクラブにいったことがないと知って連れて行ってくれ、さらにはサイコロのゲームや中国の酒の席での言葉遊びはどのように遊べばいいのか教えてくれました。なかなか理解しない私にも彼は丁寧に教えてくれ、最後には何度か勝つことが出来ました。

上海に戻ってすぐに上海にいる中国人の友達と一緒にお酒を飲んだのですが、陳くんのおかげで私は中国人に混ざってお酒を飲みながらサイコロゲームを楽しむことが出来ました。

もしかしたら、中国で学んだことの中でこのサイコロゲームが一番実用性のあることかもしれない・・・と思わずにはいられません。

 

我最喜欢的中国酒文化是“敬一杯”。中国人常常会碰杯,其实日本也会这样,但日本更随便,即使跟上司碰杯,也只是说一句“某某部长您辛苦了”就好了,类似于“敬您一杯”这种推酒词是不太多。日本宴会是一般2-3个小时畅饮的,大家都随便喝随便大醉。我认为类似于“敬一杯”这样的词语,反映着中国文化中尊敬长辈、重视面子的重要性。

有一次我参加了一个宴会,其中包括一位中国教授、在中国待了好几年的日本人、还有几个中国学生和我,那位在中国待了很久的日本人对中国教授说:“老师我敬您一杯”。那时我还不敢去这样做,后来觉得很后悔,我发誓下次一定会尝试的。

 中国には「敬一杯」という言葉がありますが、私はこの言葉が本当に大好きです。中国人は飲み会中本当によく乾杯をします。日本も乾杯はしますが、日本の乾杯はもっと自由でもし上司と乾杯をするにしても「●●部長おつかれさまです」と言うだけで「敬您一杯(あなたを敬って乾杯します)」のようなお酒をすすめるような言葉はそんなに多くはないような気がします。また日本の飲み会は2時間から3時間の飲み放題の形であることが多く好き勝手に飲んで好き勝手につぶれる場合も少なくはありません。中国の「敬一杯」のような言葉は、中国の目上の人を大事にし、メンツを大事にすることの重要性を表していると私は考えます。

 

第一次目睹中国式秀恩爱/はじめて見た中国人カップルの公共の場でのいちゃいちゃ

 

两年前,为了试试自己的中文能力,我第一次独自去了北京。到北京的第一天,我下了飞机,寻找开往酒店的机场巴士站,在路上看到一对情侣正在紧紧地拥抱着轰轰烈烈地吻着。

第一次到中国,谁都会感受到这种文化冲击,当然我也做好了一点心理准备,但是这个场面对我来说真的是出乎预料的事情,只觉得好尴尬。之所以这样,是因为日本人在大众面前一般不会秀恩爱,有的年轻人甚至连牵手也都不敢,那时候我交往的男友也不喜欢牵手。

后来到上海留学看到了好几次秀恩爱的场面,平时也爱看中国的爱情电视剧,爱在微信公众号里读一些爱情随笔,我慢慢习惯了这些中国式的恋爱,也发现汉语甜蜜词特别丰富。比如:“我想你”、“有你真好”、或者称呼时的“我的宝贝儿”等等。这些词汇都没法翻译成日语,日语里即使有这些又浪漫又温暖的词语,日本的男孩子一般都不喜欢说,而且也不敢说。

二年生になる前の春休みに中国語の能力を試すために初めて北京に旅行に行きました。北京に着いたその日、空港に着いてホテルに向かうエアポートバスを探している途中、路上で一組のカップルがまさにきつく抱きしめあい熱い接吻を交わしているところを見かけました。

はじめて中国に来て誰もがカルチャーショックを受けることはありえますし、私も心の準備をしていったつもりだったのですが、この光景は全く予想外の出来事でただただ恥ずかしく思いました。日本人は公共の場で一般的にこのようにいちゃいちゃすることは少なく、若いカップルは時には手をつなぐことさえ恥ずかしく思います。(そのとき私がお付き合いしていた人も手をつなぐのはあまり好きではありませんでした)

そのあと上海に留学に来てこのような光景を何度も見かけたり、ふだん中国の恋愛ドラマ("欢乐颂"や"盲约"など)を見たり、wechatの恋愛エッセイを読むことで少しずつこのような中国式の恋愛にも慣れ、中国語の愛情表現が非常に豊富だということにも気付きました。例えば“我想你”=I miss you、“有你真好”=It's good to have you、または“我的宝贝儿”=Darling/Honeyなどなど。日本語にもこのようなロマンチックで温かみのある表現はあるかもしれないけど、日本人の奥ゆかしさという文化の中ではあまり意味を成さないかもしれません。

 

不管是男的还是女的,日本人都会觉得日语的“我爱你(=愛してる)”太肉麻了,有的日本人连“我喜欢你(=好きだよ)”也不敢说。其实我的男友就是个日本人中的日本人,我有一次跟中国朋友聊天说到我埋怨他最不太会说这种甜蜜词。我朋友说:“你是不是太爱看中国的电视剧了?你中毒太深了”。

 男女に関わらず、日本人は「愛している」という言葉はちょっと甘ったるすぎると思う人が多く、人によっては「好きだよ」さえも言わないことがあります。私の彼氏も日本人的日本人で、以前に中国人の友達に、私の彼氏は本当にこのような甘い言葉を言うことが得意じゃないんだ、と愚痴をこぼしたとき、彼女は「ちょっと中国のドラマの見すぎじゃない?影響されすぎだよ」と笑って私に言ったのを覚えています。

 

我听说中国很多男生不管女朋友还是妈妈,很喜欢送给女生玫瑰,如果在日本有送花的男人,我们肯定会觉得他是个很轻浮的人。其实我上次的生日有一个喜欢我的中国男生送给我玫瑰,多尴尬啊。

 中国の多くの男性が、女性―彼女であろうと母親であろうと―にバラを贈ることがよくある、という話を聞いたことがあります。しかし日本で花を贈る男性がいたとするならば、もしかしたら浮ついた人だと思われるかもしれません。実際、このあいだの誕生日にある男性からバラの花をいただいたのですが、ただただ恥ずかしかったことだけを覚えています。

 

以前在日本,我很爱参加各种各样的中日交流活动,所以刚到上海时也想继续参加。不过一个朋友的话让我意识到这种活动没有意义,她说:“你来的是国际大都市,没什么意义总喊着中日友好。在上海的中国人已经习惯了跟日本人交流,对日本人也几乎没有什么埋怨,是不是?”

 留学に来るまで私は様々な日中交流活動に興味があり参加していたので、上海に来たばかりのときも続けてこのような活動に参加したいと言う思いがありました。しかしある友人の意見によってこのような活動は意味がないのじゃないかという考えにいたりました。それは「あなたが来たのは国際大都市だし、日中友好なんて口に出す必要はないんじゃないの?上海にいる中国人は日本人と交流することに慣れているし、日本人に対してもそんなに偏見があるわけではないと思うんだけど」。

 

在家靠父母,出门靠朋友/家では親を、外では友を頼るべし

 

俗话说得好:在家靠父母,出门靠朋友。

学中文的三年半里,我结识了很多中国朋友,他们每次都跟我说:“你在中国有什么问题随时找我,我一定会帮助你的”。当我有了事,他们真的帮我,我跟他们说“谢谢”,他们也回答说:“我们都是朋友吧,你谢什么谢啊?”很多日本人对中国人存有误会,其实中国人看来很冷淡、别人做什么什么都不管,但是一旦建立了关系他们就真的会替朋友尽力。这就是很多日本人不知道的、而且在日本人身上缺少的、中国人的最好的优点。

 「家では親を、外では友を頼るべし」ということばがあります。

中国語を勉強してきた三年半の中で多くの中国人の友達が出来ましたが、彼らは毎回私に「中国で困ったことがあったらすぐに言うんだよ、絶対に助けてあげるから」と言ってくれます。実際に何か問題が起こると彼らは本当に手伝って解決してくれ、さらには「ありがとう」と彼らに言っても「友達でしょ、当たり前のことをしたまでだよ」と言われることが多いです。

たくさんの日本人が中国人に対して少し誤解があるのかもと思います。中国人はただ見た目が少しだけ冷たく見えたり他人のことは気にしないようだけど、いったん仲良くなると本当に困っている友人を助けることに全力を尽くします。このことは多くの日本人が知らないし、日本人に少し欠けている、中国人の優れたところではないのかなあと思います。

 

 

こんな感じです。

次の記事で、中国人のコメントについて書きたいと思います。