散文と中文

神戸市外大中国学科卒業。復旦大学国際交流学院留学。中国語と中国と共に生きる自称エッセイスト。

中国留学:三か月が経ちました

上海に来てまるまる三か月が経ちました。

信じられないほど書くこと、アウトプットすることから逃げ続けているのですが、今日ばかりは節目としてブログに向き合うことにします…

 

この一か月は、東南アジアという『海外』に出て、この中国という大きな国を、中国という大きな国で留学している自分を、見つめなおすことが出来た一か月でした。中国語を勉強してきたこの三年間、日本以外の国をほぼ知らなかった私にとって初めて本気でぶつかった『中国(大陸)』という外国のことをますます好きになり、好きが最高潮に達した時点での上海留学でしたが、『海外』に出ることによって視野が広がり(あ~使っちゃったよ留学生大好きワード)、少し冷静になることができたのではないかと思います。

 

例えば。物価はもちろんマレーシアやタイのほうが安いし、上海のほうがせかせかしててプライドが高いし、中国にいて自由だと感じられたのは自由ではなくてただのわがままだったりしたし、食べ物だっておいしいけど油っぽいし、上海は空気悪すぎてマレーシアで久々に澄み渡る青空見て泣きそうになったし。

 

だから、上海に帰ってきてから「はー、上海しんど。」と思うことが増えました。

 

しかし、そのような悶々とした日々の中である程度落とし込んで考えたのは

①旅行ではその国のいい面しか見えない

②留学の目的は、中国という国を少しずつよいところも悪いところも含めて理解すること

ということ。

 

…だめだ何言っても一般論になる。

 

でも、やっぱり中華人民共和国が出来てからの、違うな、改革開放してからの発展のすさまじさとか、根本にある社会主義という考え方とかーー例えば中国ではほんとに職業が多いなあと思います。デパートのトイレ掃除している人とか常に三人くらいいたりするし、8時くらいからでっかい法規持って道路掃除しているおじさんとかいるし、朝ごはんを外で食べることが日本より多い中国では朝6時くらいから夜まで肉まん売ってたりするし、食堂にはテーブルふく係がこぼされた残飯を捨てるためのたらいと雑巾を持ってつねにうろちょろしているし←どこまでが国家が関わっているかは分からないけど笑ーーに関しては本当にすごいなぁ、こんな大きな国を一つに纏め上げるの大変だったやろうなぁ、って尊敬せずにいられません。

 

  • 3か月目の反省

(中国語の目標)分からない単語を書き留める。

ぼちぼちかなあ…問題は覚えてないということ。

(日常生活の目標)自習する。

あんまり自習できなかったなあ。分からないことはすぐ調べるクセは少しずつつきつつあるのかなという感じです。

(上海生活の目標)上海凝集力工程博物館、上海市博物館、1920年毛沢東旧居に行くことができました。中国の多くの博物館は入館料が無料なのですが、中国人の友人になぜかと聞くと「そうでもしないと人はいんないでしょ」とのこと。

 

上海凝娶力工程博物館

住所:上海市長寧区長寧路878号(中山公園内)

 中山公園の中にある無料で見学ができる博物館です。展示は、嘗て貧しかった上海がいかにして世界も羨むような発展を遂げたか、それは共産党の指導のもと一致団結して努力した結果ですよといったストーリーに基づいた展示が為されています。そこには日本や西側先進国が多大な援助をしたことには触れておりません。見学を一通り終えてエントランスホールに戻る手前には、これまたお決まりの「反ファシスト戦争(抗日戦争)勝利70周年」の記念展示がなされていました。これほど見学する価値の無い博物館も珍しいですね。

凝娶力工程博物館 クチコミガイド【フォートラベル】|上海

レビュー笑った。『共産党がいかにして中国を(上海を)発展させたか博物館』です。個人的にはボランティアの炊き出しの様子とか上海市の区ごとの共産党大会の様子とかがあったりしておもしろかったけど。笑


f:id:rishizi:20170518220812j:image

▲入り口の様子


f:id:rishizi:20170518220838j:image

▲入ったとこにある共産党のモニュメント。みんなここで写真とってた。


f:id:rishizi:20170518220801j:image

▲90年代初めに、共産党上海市共産党委員会のもとでたてた“了解人、关心人、凝聚人”というスローガン。みんなでいっしょに改革開放をがんばりましょうみたいな感じだと思う。


f:id:rishizi:20170518220916j:image
▲昔の、お年寄りに対しての炊き出しの様子。中国にも炊き出しとかいう概念あるんやって感じです。

 

上海市博物館

住所:上海市人民大道201号


f:id:rishizi:20170518221110j:image

▲外観。休日に行った四階建ての上海博物館は午後になると人数整理のため行列が出来ており、無料にすることで参観する人を増やそうという政府の思惑は成功かと思われました。一方で、冷房の効いた博物館内では多くのおじいちゃんおばあちゃんがベンチに座ってとうもろこしを食べながら涼んでいました。


f:id:rishizi:20170518221611j:image


f:id:rishizi:20170518221249j:image
▲また、休日にもかかわらず社会訪問とおぼしき小学生が地べたに座り込み、熱心に少数民族のお面をスケッチしていました。

 
f:id:rishizi:20170518221630j:image

▲昔の陶磁器の展覧があって、たくさんのきれいな模様の入った器があった。時代ごとに並んでいるのだけど、だんだん模様がこったり入れ物の材質が変わるのが見えて面白い。

 

1920毛沢東旧居

住所:静安区安義路61号
f:id:rishizi:20170518221421j:image

この建物は、1920年に毛沢東が上海に身を寄せた際に、ここで革命を決意したとされる中国の現代史上、貴重な歴史遺産となっています。この建物の中には、毛沢東の当時の遺品や住居の様子が展示されています。入場料は無料で、しかも、写真は撮り放題です。そして、この展示場所の壁向こうには、中国現代アートのギャラリーが併設されています。名称が「MAO SPACE」という英語表記です。ケリーセンターという香港系のデベロッパーによる開発により、中国現代アートのギャラリーと毛主席というコントラストが現代中国を象徴していると感じました。毛沢東文化大革命は今だに理解出来ません。静安区安義路61号。静安寺嘉里中心(ケリーセンター)大規模商業施設 の中に潜む毛沢東の旧居です。近くには毛沢東寓所旧址、(茂名路)威海路583弄3、5、7号、4?D4。 1924年 夏、湖南から妻楊開慧と岸英、岸青の二人の幼子を呼び寄せた住居が残っています。

『上海の毛沢東寓所旧址には毛沢東の当時の遺品や住居の様子が展示されています。入場料は無料。』by 中国の風景さん - 公共租界のクチコミ - フォートラベル

 
f:id:rishizi:20170518221340j:image
f:id:rishizi:20170518221337j:image

毛沢東が昔実際に寝てたベッド。興奮する。


f:id:rishizi:20170518221438j:image

f:id:rishizi:20170518221443j:image


f:id:rishizi:20170518221544j:image
f:id:rishizi:20170518221519j:image

f:id:rishizi:20170518221522j:imagef:id:rishizi:20170518221527j:image

 

こんな感じで三か月目は少しずつ上海博物館めぐりを始めました。まだまだいろいろ見に行きたいところがたくさんある。

 

(友達の目標)こっちに来てから知り合った人とご飯に行く。真の友達になる。

うーん。ぼちぼち達成できたかな。

ブログに書いたように、香港人の友達と遊びに行ったり、上海駐在の商社マンの方々と飲み会をしてげろげろにつぶれたり、タイにいた友人の中国人とたまに連絡を取ったり、中国人の大学生と博物館に行ったり、日本人と中国人が混ざった団体で新疆料理を食べに行く会に参加したりしました。あと中国人の女の子とご飯を食べに行ってひたすら遠距離恋愛トークしてたな。

人と出会うことは簡単だけどその先関係を深めていくことの難しさを恥ずかしながらこの歳になって実感しているところです。

 

  •  四か月目の目標

迫りくる四か月目、いよいよ春学期も終わりに近づいています。早すぎる。

夏、たぶん七月は北海道に、七月中旬くらいから一か月ほど神戸に帰る予定です。会ってください!飲んでください!遊んでください!中国製品もなにか要望があれば代购しますのでお気軽にお申し付けください!(笑)

 

四か月目の最大のイベントは北海道から母が来てくれることです。この三か月間で得た微々たる知識を生かして楽しい上海旅行になるようにガイドできるようにがんばりたいと思います。

 以上!明日は学校の運動会で授業が休みなんだけど、その通知を今日もらった。いつも休みの通知が遅いのは、すごく中国っぽいと思う。