散文と中文

神戸市外大中国学科卒業。復旦大学国際交流学院留学。中国語と中国と共に生きる自称エッセイスト。

パッキパキな北京へ私も行きたい

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綿谷りさが中国にいるという話はどこかで見ていたけど、綿谷りさが描いた中国の小説が面白いと言うのをいろんなところで見かけてやっと買った。

中国に行ったことがある人や、住んだことがある人だったら共感しか得られない小説だと思う。描写があまりにもリアルすぎて多分半分くらい自叙伝なんだろうな、小説家というのは本当にすごいな、と思った。

目の前にその描写が浮かび上がってくるようなリアルな表現は、まさに「分かりみが深すぎる」。

例えば、

タオバオはサジェスト機能も優秀で、一度ある品物を検索すると、それに関連したオススメ商品の画像が並び、それがツボをついた品揃えなので気づけばネットサーフィンのかなり沖に出ていて、本来探していた品物とは全然違う類の商品の間を漂流している時もあった。

この文章、中国に住んだことのある人であれば誰しもが経験していることだと思う。私も留学中、それどころか帰国してからも飽きることなくタオバオという広大な海を彷徨っていた。

辛い麺(面)がウマすぎる問題は毎日発生していた。涼皮、蘭州牛肉麺武漢熱面、葱油ばん面。中国各地で食べられている豊富な種類の汁麺や混ぜ麺が食べられるのは、レストランの豊富な北京ならではだろう。

こんな文章とか。もう今すぐ中国に行って麺を食べ歩きたくなった。留学中、葱油ばん面と重慶小面は私のお昼ご飯の3割を占めていたと言っても過言ではないかもしれない。食べたい・・・。

 

2015年初め、大学1年生の春休みに初めて中国大陸に足を踏み入れたのが春節の北京だった。あの冬の中国の匂いがすごく好きだ。

今年か来年には観光ビザで中国に行けるといいのだけど。ただ、パッキパキな中国を感じに行きたい。