散文と中文

神戸市外大中国学科卒業。復旦大学国際交流学院留学。中国語と中国と共に生きる自称エッセイスト。

読書:打算と直感のあいだ

今日のタイトル由来の小説ー江國香織辻仁成のコラボレーション小説『情熱と〜』も、『右岸』『左岸』も高校生のときに読んで以来、とても好きです。

 

あと、辻仁成Twitterはいまの憎しみとマウントの掃き溜めでしかないツイッタランドにおいてほぼ唯一好きな、オアシスのような存在だと思っています。

全く書きたかったことと関係ない始まり方をしてしまった。

さて、今週末は久しぶりに親友と飲みに行ったり、阪急電車能勢電鉄に乗ってトレイルランをする人横目にてくてく歩いたり、今日は有給を取ってカフェでぼーっとしたり平日のど昼間のがらがら映画館で映画『パラサイト 半地下の家族』をやっと観たりしていました。

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改めて、この失われた二か月はいったいなんだったんだ…という思いでいっぱいです。

失われた日常を早く取り戻したい。気付いたら2020年が半分終わっちゃう。

 

最近はなんとなく外国語専攻出身のキャリアについてとりとめもなく考える機会が多くって自分を振り返ったりしていたのですが、ある程度打算的になりつつも、直感に身を任せてやりたいことや夢を追うことのバランスってすごく重要だと思います。

中国語を使いたいからっていう理由だけで全く興味のない仕事を選ぶべきではないし、駐在だっていつできるかわかんないし、ていうかなんでそもそもそんなに中国語使いたいの?って、中国語できる?中国が好き?中国のことに詳しい?永遠に自己紹介と好きな食べ物と語学留学のなんちゃってしょぼしょぼ留学を半年だか一年そこら経験しただけで、何を以てそんなにマウントがとれるのか?と、三分の二くらい自分にブーメランにかえってくるようなツッコミを入れたくなったりするわけです。

日中国際恋愛?HSK6級?日中友好イベント?はい、ありがとうございました。

 

転職することが決まった時に、中国人のある友達が私に言いました「理念だけでは飯は食えない」。これからも、暖炉のようにふつふつと燃える火を心の中に灯しつつ、森のような大きな心で、ちょっぴり打算的に、まっすぐに生きていきたいなと思います。

 

生コンプレックスなので、こういう生き方は嫌だなとかダブルディグリーで学部留学したかったとか、生まれ変わったらデータアナリストになりたいとかいろいろあります。もうちょっと時間を見つけてキャリアのこととか、人生観とかを記していけたらいいけど。

 

「べつにかまわないよ。僕は時間のあり余ってる人間だから」
「そんなに余ってるの?」
「僕の時間を少しあげて、その中で君を眠らせてあげたいくらいのものだよ」

村上春樹ノルウェイの森(上)』

この一節がすごく好きで、私もこんな感じで誰かが眠れることができるくらいの時間を惜しみなくあげられるようなひょうひょうとした人間になりたいです。

 

おやすみ、日本。とんとんとん。