散文と中文

神戸市外大中国学科卒業。復旦大学国際交流学院留学。中国語と中国と共に生きる自称エッセイスト。

村上春樹『街とその不確かな壁』を読みました

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今年一番楽しみにしていたと言っても過言ではない村上春樹の新作長編が、Amazonでお昼頃に届いて、仕事が終わってざざざっと読了しました。他の人の感想を目にする前に、またゆっくり読まなきゃいけないな。
最近はKindleばっかり読んでいたから新しい本の匂いにけっこう興奮した。

村上春樹ももう74歳……同じ時代に生きていることが改めて幸福だと思う。私の好きなものや好きなひとは、私が生まれる前に活動していたひとたちばかりだから。


多崎つくるはちょうど10年前の昨日発売されて、高校帰りに確か紀伊國屋に駆け込んで買って、札幌駅の近くのグランドホテルのスターバックスで読んだんだった。10年以上ファンでい続けていると思うと感慨深い(正確には2009年の1Q84からなので、もう14年になる。ファン歴、自分の人生の半分以上!)


ここ何作か、新作を読むたびにすごく思うのは、村上春樹の作品には過去作品を思い出すエピソードやキーワードがたくさん出てくるんだけど、それがなんか歌手のライブで昔の歌を思いがけず歌ってくれた時の気分になる。

YUKIちゃんの新しい歌がちょっとジュディマリっぽかったりとか、いままではライブでジュディマリのことを全く触れなかったのにMCでジュディマリのことに言及するようなそんなはっとするような気持ち。

いろいろな作品を(いちおう)読んでいるからこそつながっていく感覚もあるのではないかなと思う。

 

図書館、手紙、不思議で不安定な人たち、気持ちの沈み込み、淡々とした生活、相変わらず飲むと食べたくなる食べ物の描写、そしてウイスキーの描写。恋愛。あの世界とこの世界。

 

はっとするような、線を引きたくなるような表現もあった。まっさらな本がもったいなくなって、やめた。笑

 

今年はすでに小説を10冊近く読んでいる。高校生以来の小説ブームが自分の中で静かに来ていて、すごく良い傾向だと思う。

ビジネス本もたくさん買っているんだけど、積読が溜まりに溜まって大変なことになっている。(今日もついにずっと読もうと思っていたが手が出なかった『イシューからはじめよ』をポチった。社内の勉強会で取り上げられていて、Kindleで見たら安くなっていたので……)

今のところは今更ちゃんと読んだ三浦綾子の『氷点』が結構よかった。この勢いで『傾城の恋』と『蒼穹の昴』を頑張って読破したい。