散文と中文

神戸市外大中国学科卒業。復旦大学国際交流学院留学。中国語と中国と共に生きる自称エッセイスト。

読書:尾原和啓著『モチベーション革命』

雨が止んで、青空が見えている大阪の日曜日。麗しき午後です。

先週くらいから『モチベーション革命』という本を読んでいて、昨日やっと読み終わったので、備忘録を兼ねて今日も読書日記を書きます。

 

  • 『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』について

いわゆる”ミレニアム世代”の働く人たちはなぜ”上の世代”の働く人たちのような「24時間戦えますか」と言わんばかりのテンションで働けないのか?彼らとなにが違うのか?これからの働きかたはどうあるべきなのか、ということを書いています。

本の中では私たち世代のことを「乾けない世代」と読んでいて、その定義がどんぴしゃりすぎてKindleでマーカー引きまくりです。

いわば「乾いている世代」である上の世代のモチベーションは「国」や「社会」を動かし、支えていくという「大きな枠」で作り上げられてきました。

一方、「乾けない世代」のモチベーションは「家庭」「友人」「自分」という、「小さくて身近な枠」で作り上げられています。

なぜなら、上の世代がある程度社会を作り上げてしまったので、「乾けない世代」は「すでに作り上げられた社会」の上に立たされているからです。

 ー本文より

 今の世代は、生きがいを追い求めたり、自己表現できることや尊重というものを結構大事にしているのかな?と思っていて、だからただ仕事を上から押しつけられるだけだったりするような会社にいると、もう死にたくなったり自分ってなんなんだろうというような人生迷子モードにもれなく突入する(傾向にある)のです。多分。

上の世代では、別にやりたいことなんてなくても、与えられたことをこなして、人より良い結果を出せればそれで十分成功できました。・・・しかし今は、「何が楽しいの?」「何をやりたいの?」ということを常に問われ、すべて自分で決めていかなければいけない時代です。・・・ 右向け右で、固定された目標に向かって歯をくいしばって頑張る人よりも、好きなことに夢中でいつも楽しそうな人のほうが、魅力的になっていきます。

ー本文より

一方、モチベーションを見失っている「乾けない世代」の多くは、自分の幸せを構築する要素が「意味合い」や「没頭」であるにもかかわらず、今の仕事のなかにそれらを見出せていない状態なのかもしれません。

ー本文より

ライフワークとか、生きがいとかそういう言葉がよく語られるようにもなっていて、言って仕舞えば贅沢な時代になったわけだなぁと思う。

本の中では「生きがい」「ライフワーク」についても述べられています。

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日本語がそのまま英語になった「ikigai」という概念
  • 読もうと思ったきっかけ

社会人も大阪在住も今年で二年目、やっとのことで転職先の環境にも慣れ始めたと思ったところでコロナ禍が襲いかかります。まるで別の世界軸に来てしまったかのごとく、令和になってからつくづくひどい世の中だ。

仕事にも大なり小なり影響は出ていて、これからどうしよう、どんな心境で仕事や人生に向かい合っていけばいいんだろう…と24歳にして人生の迷子。そんなときにすがれるような本を見つけて即Kindleにダウンロードしました。

そしてTwitterでは奇しくもこんなつぶやきを見つける。

これだ!と思いました。自己啓発はいろんな人がワーワーといろいろおすすめをしているけれど、おすすめをとりあえず結局買ったところで自分の実感がないので、血となり肉となることはない。そのかわりに、自分の課題とかこれはどうなんだろう〜っていうことを本を読むことで解決できるんだったらそのほうがいいよねという。

小説とかエッセイはその時その時で得る感想が違うから、また別だと思っています。おもしろい小説はいつ読んでもおもしろいし、自分の好きなものをはっきりさせてくれるような気がするから。

  • 自分の進むべき道を信じること、またの名を自己肯定化

※苦節二十四年、最近はちょっと煽り気味?のタイトルを付けがちだったり内容だったりで大変申し訳ございません。

こういう本を読んで鼻息を荒くして「ふむふむ!これは取り入れよう!」と思うこともたくさんある反面、今の自分の進みかたー好きなものをとことん追求していくことーが間違っていないと言うことを自分で肯定してあげる、納得してあげることも大事なのかなぁと思います。私なりの自己啓発本を読むメリットは、内容によっては無理やり自己肯定できること。笑

「中国と関わって生きる」というざっくりとした「私のやりたいこと」。大企業での駐在も駐妻も現採も国際恋愛も今のところあんまり縁がなさそうですが、最近はぼんやりとなりたい自分が見えてきたりしています。というかもともと自分の中にある大切にしていることを、うまく言語化できていなかったり認識できていなかったりするので、方向性が定まっていない。

というか、最近は「言語はただのツールじゃん」ってよく言われて久しいですけれど、もうこの際言語を武器にして仕舞えばいいじゃんって。思ったりするわけです。

www.xinpianchang.com

これが私の「中国語と私」における原体験。熱くて暑かった、大学三年生の夏。

 この辺に関しては、また改めてもう一度記事を書ければいいなぁと思います。「語学先行型」である外大生としてのキャリアに関するコンプレックスを、いつまでも引きずりながら生きていく。

  • 社会人二年目の自分へ

とはいえ、もしあなたがまだ新社会人ならば、まずは目の前の仕事をひたすらにこなし、集中することを優先してください。・・・ もちろん、好きなことがすでにあるなら、それは慌ただしい新卒時代を生き抜く支えになります。好きなことを見つける作業も、楽しいひとときになるでしょう。普段の仕事のなかでも、だんだんと自分の得意なことの芽が見えてくるでしょう。「生きがい」の芽を見つけるのは早いに越したことはないですが、それを仕事にしていくプロセスで焦る必要はないのです。「生きがい」を磨いていく人生は、一生かけて作り上げていくものです。

ー本文より

 最後のほうに出てくるこの文章を読んで思い出したこと、それは、みんな大好きな伝説のテキスト『理香と王麗』に出てくる「慢慢来,别着急」というセリフでした。笑 どの文脈で出てきたのかは全く覚えていないけど…。

text.asahipress.com

  • 人はそれをアマプラ課金勢と呼ぶ 

さて。Kindleといい、Audibleといい、本当にAmazon様様です。最近は相変わらずたまにジョギングをしているのですが、AmazonのAudible(朗読サービス)を聴きながら走るっていうのもありかな〜っていうのを画策中。なんかめっちゃ時間を有効に使えるばりばりキャリアウーマンみたいになれそうです。