散文と中文

神戸市外大中国学科卒業。復旦大学国際交流学院留学。中国語と中国と共に生きる自称エッセイスト。

旅行:失われた感受性と創造性を取り戻す四国一人旅 はじめに

なんで突然四国に?ということに言及した方がいいかなと思って、この記事を書こうと思う。

  • 帰省

ゴールデンウィークに北海道・当別町の実家に一週間帰省した。実家のあるまちは、最近NHKにも出ていたりと何かと話題な札幌のベッドタウンである。

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帰省自体は一年に2回くらいしているけど、いつも4, 5日くらいしかいられないので、ゆっくりできたなと思える帰省だった。今回は有給をとって一週間帰れることができたのだ。帰省中は、新しくできた「ロイズタウン」に行ったり、隣町の石狩市・厚田で海を見たり、家族でゴルフに行ったり、ジンギスカンが有名な長沼町でジンギスカンを食べてから臭くなった体を日帰り温泉で洗い流したりした。

ゴールデンウィーク最終日、北海道から大阪の飛行機を降りると、いつも「あぁ、帰ってきたなぁ」と思い、心の中のオフモードからオンモードにスイッチが切り替わるような気がする。大阪は大好きなまちだけど、北海道への帰省は私にとってエネルギー補給であり、大阪に戻ってくる時はいつも心が軽くなったような気がする。18歳で離れてしまった土地への帰省は、帰るたびに新たな発見があり、もはや何度も訪れたことのある場所への旅行のようなものだと思う。

そうして大阪の家に帰ってきてからふと思った。「そういえば、しばらく帰省以外で旅行していないなぁ」。ということで、一人旅の計画スタート。

  • 感受性を取り戻したい

「歳をとると、感受性が鈍くなる」とよく言われる。大学生の時は、一年ごとに新しい人に会ったり新しい体験をすることがとても多くて、当時北海道の小さなまちから出てきた私にとってはほぼ毎日が発見と感動の連続だった。そんな自分の人生を楽しんでいたし、未来に待ち受けるさらなる新たな発見と感動を、楽しみにしていた。

就職して、幸いにも自分のやりたかったこと、なりたい自分になるためにやるべきことを仕事として働けているとは思うけれど、それでも大学生の時よりは毎日が平穏に過ぎ去っていく。私の社会人生活はほぼ新型コロナとともにあるので(正確には社会人2年目でコロナ禍となった)、最初はこのもやもやがコロナのせいなのかと思っていた。でもきっと、いろんなエッセイや文章を読んでいると、誰もが感じることで、このもやもやは社会人特有のものなんだと思う。

行ったところのない場所に行って、見たことのない景色を見て、乗ったことのない電車に乗って、その土地の食べ物やお酒を楽しむこと。今まで日本や中国、台湾(タイ、マレーシア、アメリカも。)のいろんなところに行って、新しいことに出会った喜びを言葉や写真で表現することを趣味としてやってきて、最近そういうのが足りてなかったんじゃなかったかなって。そういう感受性、新しい場所を訪れた時に感じるワクワク感を、今回の旅で取り戻したいと思った。

  • 今のうちに、遊んでおくこと

「子どもを産んだら、やりたいことがなかなかできなくなるから今のうちに本当に旅行に行っておいた方がいいよ」とつい最近言われた。今までも言われたことのある言葉だったけれど、なぜかこの26歳という微妙な年齢の私にちょうど刺さった言葉だった。その言葉がしばらく頭の片隅にあって、それも今回一人旅をしようと思った理由の一つ。

 

rishizi.hatenablog.com

今年の誕生日に書いた記事の中で「47都道府県制覇する」という目標を立てた。ネットに「経県値」というスコアを調べるツールがあって、これをすべて色で塗りつぶしたいなと思う。

uub.jp

 

そんなわけで、私にとって一番慣れ親しんだ一人旅という方法で、まだ自分の好きなように時間を過ごすことができる今のうちに、失われた感受性や創造性を取り戻すことにした。